ゲームをしているとどのカードが先に発動できるのか、効果処理において相手プレイヤーのどの領域まで確認するのか不明な場面に遭遇することがありませんか。これはカードの存在する場所と表裏の状態で区別される公開情報と非公開情報に関連しています。
この記事では公開情報と非公開情報の違いとゲーム進行上の取り扱いを解説します
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公開情報とは
フィールド・墓地・除外ゾーンで表側で存在しているカード、手札の枚数・(EX)デッキの枚数・LPが公開情報になります。これら情報はお互いにいつでも確認し合う事ができます。
非公開情報とは
フィールド・墓地・除外ゾーンで裏側で存在しているカード、相手の手札の内容・(EX)デッキの内容が非公開情報になります。これら情報はお互いに確認することができず、デッキ内容及びカードの並び順は所有プレイヤーであっても確認はできません。
ゲーム進行における取り扱い
情報公開カードと情報非公開カード間のチェーンブロックの順序
例えばモンスターの誘発効果については、情報公開されているカード→情報非公開カードの順番でチェーンブロックが組まれます。
「ふわんだりぃず」と「灰流うらら」の例を交えながら確認していきましょう。
相手プレイヤーの手札に「灰流うらら」があると想定して、ふわんだりぃず×ろびーなの効果①に対して除外ゾーンのふわんだりぃず×下級の共通効果③を発動する事で、直近にチェーンブロックが組まれたカードにしか発動ができない「灰流うらら」を回避する手法があります。
このケースにおいて、優先権のルールだけを厳密に当てはめると、ターンプレイヤーの誘発効果発動後、相手プレイヤーに優先権が移り「灰流うらら」の効果を発動できるように見えます。
しかし実際は、情報が公開されている除外ゾーンの「ふわんだりいず」下級効果③の発動判断を経てから、非公開情報である手札誘発のカードの発動機会がやってくる事になります。
(「灰流うらら」は直近のチェーンブロックを形成した効果にしか使えないため、発動機会は結局訪れない)
もし、手札の「灰流うらら」ではなく、フィールドの「サイバー・ドラゴン・インフィニティ」や墓地の「ブレイクスルースキル」といった情報が公開されているカードであった場合は、公開領域のレベルのなかで優先権の基本ルールに乗っ取って処理されます。
「サイバー・ドラゴン・インフィニティ」は「ろびーな」と同様に情報が公開されているため、ターンプレイヤーが「ろびーな」の誘発効果①を発動すると相手プレイヤーに優先権が移行するので、除外ゾーンのふわんだりいず×下級の誘発効果③は、相手プレイヤーによる「サイバー・ドラゴン・インフィニティ」の誘発効果③の発動の判断を経て、再度優先権が自分に移行してから発動できることになります。「ブレイクスルースキル」についても同様です。
まとめますと、
- 公開情報の中でお互いに発動条件を満たした誘発効果をもつカードがあれば、まずそれらのカード間で優先権のルールに従ってチェーンブロックが構成する。
- その後、非公開情報のカードを優先権のルールに従って発動できる。
手札誘発の発動条件を満たしたとしてもすぐに使用するのではなく、公開領域のカード発動の確認と相手の優先権の放棄を待つ事が重要なわけであります。
非公開のカードを参照にしたり、それにアクセスするカードの処理における公平性の問題
以前は、相手のデッキや手札のカードを確認しなければ効果処理が確実ではない場合には、プレイヤーが求めれば非公開情報であるデッキや手札の確認を行う事ができました。
例えば、「抹殺の使徒」でリバースモンスターを除外した場合は、相手のデッキ内を確認して同名モンスターの有無を確認出来ました。
又、「マインドクラッシュ」で宣言したカードが相手の手札にあるか確認出来ました。
ところが、2016年に登場した「天声の服従」についての公式裁定によって、上記のようなケースでも相手のデッキ・手札といった情報非公開のカードの確認が出来なくなりました。「天声の服従」はカード名を宣言したのち、相手の非公開情報であるデッキにアクセスする効果ですが、宣言したカードの有無は相手プレイヤーだけが確認でき、ターンプレイヤーが求めても公開する義務は無いという事です。
この裁定により、非公開情報を参照する効果の処理は、
・相手プレイヤーの申告のみで行う
・疑義がある場合は審判等の第三者に確認を仰ぐ
という取り扱いになりました。
互いのプレイヤーが確認を行わなければ虚偽の申告といった不正も可能といえば可能になります。しかし、以前の裁定でもデッキや手札といった重大な非公開情報を一方的に獲得出来るのも公平さに欠けていたという面も否めません。たった一枚のセットカードや手札の情報だけで勝敗に大きく影響してしまう事もありますからね。
ちなみに効果処理とは別の話ですが、公式大会の規則では非公開情報の取り扱いに関するマナーが明記されています。みだりに非公開情報を提示するのは公平性に欠ける、ゲーム性を損なう、という理由からだと思います。
結局行きつくところはデュエリストとしての心得ということなのです。
まとめ
チェーンブロックの順番というと優先権の話でもありますから、公開情報・非公開情報については案外見落としやすいルールです。
後者の公平性に関する裁定変更は、ゲームにおけるルール以前のモラルの話であり、同時に正直に申告するフェアな姿勢と相手を信頼する誠実な心が大切という事を再確認できた事案ともいえるでしょう。
ご閲読ありがとうございました。
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