ゲームをしていると当たり前のようにモンスター効果の応酬が繰り広げられています。いつでも自由に発動できるもの、特定の状況をトリガーに発動できるもの様々です。各効果の種類を把握しておくだけでもOCGへの理解がいっそう深まると思います。
この記事ではモンスター効果の種類の違いとゲーム進行上の取り扱いを解説します
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モンスター効果の分類
起動効果
メインフェイズにのみプレイヤーの意思によって発動できるスペルスピード1の効果のことを言います。よって相手ターンには発動できず、通常魔法と同様のタイミングで発動できるものと捉えて差し支えありません。後述する誘発効果との違いは、発動タイミングが記載されていない点が挙げられます。例として以下のようなカードがあります。
カード名 | 効果 | |
カオス・ソルジャー -開闢の使者- | ❝①:フィールドのモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを除外する。❞ | |
オベリスクの巨神兵 | ④:自分フィールドのモンスター2体をリリースして発動できる。相手フィールドのモンスターを全て破壊する | |
フルール・ド・バロネス | ❝①:1ターンに1度、フィールドのカード1枚を対象として発動できる。そのカードを破壊する。❞ |
永続効果
発動という概念がなくフィールドに出たら途切れることなく適用される効果で、公開情報の領域でのみ発生します。ゲームの進行において、発動が点とすると永続は線といったイメージです。
カード名 | 効果 | |
人造人間-サイコ・ショッカー | ①:このカードがモンスターゾーンに存在する限り、お互いにフィールドの罠カードの効果を発動できず、フィールドの罠カードの効果は無効化される。 | |
フォッシル・ダイナ パキケファロ | ❝②:このカードがモンスターゾーンに存在する限り、お互いにモンスターを特殊召喚できない。❞ | |
D-HERO デストロイフェニックスガイ | ❝①:相手フィールドのモンスターの攻撃力は、自分の墓地の「HERO」カードの数×200ダウンする。❞ | |
No.41 泥睡魔獣バグースカ | ❝①:このカードがモンスターゾーンに攻撃表示で存在する限り、このカードは相手の効果では破壊されず、相手はこのカードを効果の対象にできない。②:このカードがモンスターゾーンに守備表示で存在する限り、フィールドの表側表示モンスターは守備表示になり、守備表示モンスターが発動した効果は無効化される。❞ |
誘発効果
カードごとに定められた発動条件を満たした場合に発動できる効果をいいます。スペルスピードは1で公開情報の領域でのみ発生します。また発動条件を満たせば相手ターンでも発動させることができます。
※強制効果と任意効果は誘発効果の性質を非公式に分類した概念になります。
強制的に(必ず)発動する誘発効果
発動条件を満たしたとき必ず発動する効果のことをいいます。テキストには主に、「~した時(場合)に発動する」、「~フェイズに発動する」と記載されます。効果処理ができない場合であってもプレイヤーの意思に関わらず発動しチェーンブロックがつくられます。例として以下のようなカードがあります。
カード名 | 効果 | |
黒き森のウィッチ | ❝①:このカードがフィールドから墓地へ送られた場合に発動する。デッキから守備力1500以下のモンスター1体を手札に加える。このターン、自分はこの効果で手札に加えたカード及びその同名カードの効果を発動できない。❞ | |
地獄詩人ヘルポエマー | ❝①:戦闘で破壊されたこのカードが墓地に存在する場合、相手バトルフェイズ終了時に発動する。このカードが墓地に存在する場合、相手の手札をランダムに1枚選んで捨てる。❞ | |
ライトロード・アサシン ライデン | ❝②:自分エンドフェイズに発動する。自分のデッキの上からカードを2枚墓地へ送る。❞ | |
伝説の白石 | ❝①:このカードが墓地へ送られた場合に発動する。デッキから「青眼の白龍」1体を手札に加える。❞ |
任意に発動できる誘発効果
発動するかしないかがプレイヤーの意思にかかる効果のことを示します。テキストには主に、「~した時(場合)に発動できる」、「~フェイズに発動できる」と記載されます。例として以下のようなカードがあります。
カード名 | 効果 | |
キラー・トマト | ❝①:このカードが戦闘で破壊され墓地へ送られた時に発動できる。デッキから攻撃力1500以下の闇属性モンスター1体を攻撃表示で特殊召喚する。❞ | |
黄泉ガエル | ①:このカードが墓地に存在し、自分フィールドに「黄泉ガエル」が存在しない場合、自分スタンバイフェイズに発動できる。このカードを特殊召喚する。 | |
ティアラメンツ・メイルゥ | ❝①:このカードが召喚・特殊召喚に成功した場合に発動できる。自分のデッキの上からカードを3枚墓地へ送る。❞ | |
クシャトリラ・ユニコーン | ❝③:このカードの攻撃宣言時、または相手がモンスターの効果を発動した場合に発動できる。相手のEXデッキを確認し、その内のモンスター1体を選んで裏側表示で除外する。❞ | |
氷剣竜ミラジェイド | ❝③:融合召喚したこのカードが相手によってフィールドから離れた場合に発動できる。このターンのエンドフェイズに相手フィールドのモンスターを全て破壊する。❞ | |
リンクリボー | ❝①:相手モンスターの攻撃宣言時、このカードをリリースして発動できる。その相手モンスターの攻撃力はターン終了時まで0になる。❞ |
誘発即時効果
誘発効果と同様、カードごとに定められた発動条件を満たした場合に発動できます。異なる点はスペルスピードが2である事と、カードによって相手ターンでも発動できる旨がテキストに記載されている事が挙げられます。相手ターンでも速攻魔法・罠カードのように相手の行動にチェーンして発動することができます。
強制的に(必ず)発動する誘発即時効果
該当するカードは数としては少ないです。
カード名 | 効果 | |
死霊騎士デスカリバー・ナイト | ①:モンスターの効果が発動した時、このカードをリリースして発動する。その発動を無効にし破壊する。 | |
No.23 冥界の霊騎士ランスロット | ❝③:1ターンに1度、このカード以外のモンスターの効果・魔法・罠カードが発動した時、このカードのX素材を1つ取り除いて発動する。その発動を無効にする。❞ |
任意に発動できる誘発即時効果
例としては以下のようなカードがあります。一般に手札誘発と称されるモンスターの大半はここに分類され、非公開情報の領域から発動できるのが特徴です。
カード名 | 効果 | |
増殖するG | ❝①:自分・相手ターンに、このカードを手札から墓地へ送って発動できる。このターン中、以下の効果を適用する。●相手がモンスターを特殊召喚する度に、自分は1枚ドローする。❞ | |
深淵の獣マグナムート | ①:自分または相手の墓地の、光・闇属性モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを除外し、このカードを手札から特殊召喚する。相手フィールドにモンスターが存在する場合、この効果は相手ターンでも発動できる。 | |
VS Dr.マッドラヴ | ②:自分・相手ターンに、以下から1つ選択し、その属性の手札のモンスターを1体ずつ相手に見せて発動できる。●闇:相手フィールドの表側表示モンスター1体を選び、その攻撃力・守備力を500ダウンする。●闇・地:フィールドの守備力が一番低いモンスター1体を持ち主の手札に戻す。 | |
琰魔竜 レッド・デーモン・アビス | ❝①:自分・相手ターンに、相手フィールドの表側表示カード1枚を対象として発動できる。そのカードの効果をターン終了時まで無効にする。❞ | |
I:Pマスカレーナ | ❝①:相手メインフェイズに発動できる。このカードを含む自分フィールドのモンスターをリンク素材としてリンク召喚する。。❞ |
補足
① 分類されない効果
上述の4つに分類されない効果のことを言います。例を挙げると、
カード名 | 効果 | |
ラーの翼神竜 | ❝①:このカードの召喚は無効化されない。❞ | |
破壊剣の使い手-バスター・ブレイダー | ❝①:このカードのカード名は、フィールド・墓地に存在する限り「バスター・ブレイダー」として扱う。❞ | |
カイザー・シーホース | ❝①:光属性モンスターをアドバンス召喚する場合、このカードは2体分のリリースにできる。❞ | |
「壊獣」モンスター | ❝③:「壊獣」モンスターは自分フィールドに1体しか表側表示で存在できない。❞ | |
H・C エクストラ・ソード | ❝このカードを素材としたエクシーズモンスターは以下の効果を得る。●このエクシーズ召喚に成功した時、このカードの攻撃力は1000ポイントアップする。❞ | |
サイバー・ドラゴン | ❝①:相手フィールドにのみモンスターが存在する場合、このカードは手札から特殊召喚できる。❞ |
などといった記載のカードが挙げられます。非常に多岐にわたりますが解釈は容易なものがほとんどなので、目にかかった時に確認するので十分でしょう。
② 効果外テキスト
テキスト欄に記載されているにも関わらず、モンスター効果として扱われない概念をいいます。例を挙げると、
カード名 | テキスト外効果(効果番号なし) | |
青眼の亜白龍 | ❝手札の「~」を相手に見せた場合に特殊召喚できる❞ | |
閉ザサレシ世界ノ冥神 | ❝このカードをリンク召喚する場合、相手フィールドのモンスターも1体までリンク素材にできる❞ | |
いろいろ | この効果は1ターンに一度しか発動できない |
などといったものが挙げられます。効果番号が振られていないので判別自体は容易ですが、盤面に及ぼす影響力が小さくなく、そのインパクトから効果によるものと誤解することのないように気を付けなければいけません。また効果そのものではないため「スキルドレイン」等で無効にされることもありません。
③ チェーンブロックの順序について
先に記したように、強制効果は優先的に発動します。公開情報の優先順位を踏まえてチェーンブロック形成の優先順序を整理すると、
- ターンプレイヤーの公開情報の強制効果
- 相手プレイヤーの公開情報の強制効果
- ターンプレイヤーの公開情報の任意効果
- 相手プレイヤーの公開情報の任意効果
- ターンプレイヤーの非公開情報の任意効果
- 相手プレイヤーの非公開情報の任意効果
という風になります。また非公開情報におけるチェーンブロックが組まれた後は、公開情報と非公開情報の任意効果は優先権のルールに従って発動していくことになります。
まとめ
以上モンスター効果の種類ごとの解説でした。
テキストには種類によって特有の記載のされ方があるものの、作成された時期によってテキストの表現も異なるので分類しにくいカードも少なくありません。また分類されない効果やモンスター固有の効果もあり、うっかり誤った運用をしてしまわないように、特異な表現のカードを使用する際は公式の裁定を確認しておくと確実です。
そんなわけでモンスター効果の分類に関する解説でありました。
ご閲読ありがとうございました。
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